ロータリ除雪車のブレード部修復
今回はロータリ除雪車のブレード修復を行いました。
ロータリ除雪車はオーガと呼ばれる回転装置によって高く積もった雪堤を切り崩しながら進み、ブロア(回転する羽根)によって雪を飛ばすものになります。県道や国道といった道路幅の広いところによく使用され、皆さんも各地積雪量のニュースの背景画像でこちらが稼働しているのを見たことがあるのではないでしょうか。
今回は画像下方、正面写真からは捉えにくいですが黄色い部分の背面部分の損傷およびインペラ枠の下方部を併せて直してほしいとのご依頼で修復しました。
回転部分とブレード部を取り外して根幹となる部分を残し、溶接しやすいようにグラインダー等で凹凸を均します。また、画像中央部にありますインペラ周辺部も今回合わせて修理を行うため直線状に切断しました。
インペラ枠に現物合わせでプレートを湾曲させ、溶接します。
この湾曲が大きすぎると隙間を生み裁断がうまく行われない不具合が生じ、小さすぎるとインペラが干渉して誤動作や最悪事故になりかねません。パッと見では分かりにくい箇所にこそ拘りをもって業務にあたっております。
インペラ枠の溶接が終了しましたら、ブレードの背面部分であるプレートを根幹部とインペラ枠に合わせて元の状態と同じ形に湾曲させたプレートを溶接していきます。
1から作成する時は無いのですが、今回の様に溶接部の周りに塗装がありますと溶接が上手く行えません。
そのため本体を傷付けない様に注意を払いながらグラインダー等で塗装をはがしてしまいます。そうする事でより強固な溶接個所になるわけですね。
このままではブレードが装着できないため、接続用のボルト穴を作成します。1回で本穴加工をしてしまうと、プレートの厚みによっては斜め方向に穴が開いてしまったりするため、しっかりと下穴を開けてから本穴を開けていきます。特に今回は厚めのプレートでしたので、下穴を開ける際も気を引き締めて行います。
穴を開けた後は指定の色に塗装を行い、取り外しておりましたオーガとブレード部を再装着し、完成となります。
8月も終わりに近づき、だんだんと積雪が多くなる季節がやってまいります。我々の単純な通勤や生活基盤を支える物流を止めないでスムーズに行えるようにしてくれるロータリ除雪車、その大きさと頼もしさはこうして手に触れてみて改めて大切なものだと思います。
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