大型粉砕機の修復

 今回は車体等の大型物を破砕するシュレッダーの修復を行いました。
 シュレッダーで思い浮かべる代表例として紙を細断していくものがありますが、複合廃棄物を粉砕していく大型機械も同様にシュレッダーと呼ばれております。

 上写真が修復前となります。
 ブレード部は取り外されておりますが、車体等重量物を扱うことが多いためか全体的に凹凸や大型の傷が散見されます。

 これを全周20~30mmほど溶接で多層盛りしていきます。

 真横から見るとシュレッダーの大きさや重厚感が分かります。

 以前修復したコンクリートクラッシャー(コンクリートクラッシャーの改修)の時と同様、溶接を行う前に母材を十二分に炙る必要がありますが、それだけでも一苦労です。

 しかし、十二分に炙ることが出来なければ低温割れやブローホールが発生する可能性もあり、安心安全のために避けて通ることはできません。
 通常の溶接もぱっと見は簡単そうに見えますが、多層盛は更に留意すべき点がいくつもあり、一朝一夕で身に付けられることはないのです。この道何十年のベテランですら、ふとした油断で溶接不良が起きてしまう溶接士泣かせの技術です。

 1層目を盛っている最中です。

 グラインダーで均しながらさらに肉盛りを行います。

 全周の多層盛が終了いたしました。

 ここから表面の凹凸をある程度綺麗に整えたら、お客様の元へ納品されます。

 計算では溶接に使用したワイヤーは1t以上もの量。
 期間もお客様からお預かりして終了まで数か月にも及びましたが、それだけに達成感もひとしおです。

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